第20回ホットヘア
デザインフォトコンテスト
結果発表
優れたヘアアイロンの技術と世界観(感)を競う第20回ホットヘアデザインフォトコンテスト(愛称・AIVILインスタフォトコン)は、「Contrast」をテーマに開催いたしました。募集期間(2025年5月1日〜7月31日)に、スタイリスト、アシスタントから美容学生まで311件の応募があり、事務局による1次審査、7人の審査員による2次、3次審査を実施。最高得点を集めたグランプリには、岐阜県高山市のオーナースタイリスト、椿倉 章吾さん(TLACE.)の「NOMADIC DUALITY」に決定しました。学生学校最優秀賞は、指 碧波さん(グラムール美容専門学校)の「補色」に決まりました。
【椿倉 章吾さん グランプリ受賞コメント】
今年は、できるだけ多く作品を作り、フォトコンテストに挑戦する年にしたいと思っています。たまたま見ていたアフリカ大陸のテレビ番組にインスピレーションを得て、民族的な作品のアイデアが浮かんだことが応募につながりました。黄色のチョーカーに黄色い髪、メイクで統一感と民族感を出しつつ、テーマである『コントラスト』と上品さを意識しました。最近はタイトな作品を作ることが多く、ボリュームを出す作品を作りたいという思いも込めています。グランプリを頂き、正直驚きました。ふとしたきっかけと試行錯誤の中で、やりたいことをやった作品が選ばれてなお一層嬉しく思います!今後も作りたいという気持ちを大切に、新しい作品に挑戦していきたいです

Grand Prixグランプリ
「NOMADIC DUALITY」
椿倉 章吾さん(岐阜県)
所属:TLACE. / 富山アーティスト学園
(現・富山ビューティーカレッジ)2011年卒

Ueda Mieko Award上田美江子賞
「Tempest Eco」
堀口 裕実子さん(千葉県)
所属: Berry’s Braids / 東洋理容美容専門学校 2011年卒
【上田 美江子審査員からのメッセージ】
テーマ性 ★★ 技術力 ★★★ 世界観 ★★★
「パッと観て髪の毛の動きが躍動的でエネルギッシュ!モデルさんの目元のワイルドさとマッチングして印象的な作品。ナチュラルな風に吹かれたような浮遊感の仕上がりに高度なテクニックを感じる。」

【小松 敦審査員からのメッセージ】
テーマ性 ★★ 技術力 ★★ 世界観 ★★★
「好きなテイストで大変惹きつけられます。被写体の内面や質感を際立たせるモノクロームの選択がすばらしい。その上で、カラーで彩度を抑えた上でコントラストを上げる表現も、ぜひ見てみたいと思いました。想像力を掻き立てられる作品で、カール・カラーなどのディテール、そしてヘアデザインとしての存在感を追求した作品にも興味がわきました。作品全体のイメージの持ち方が本当に素晴らしく、その情熱が伝わってきます。自分の中から湧きくる感情をさらに大胆に、そして洗練された形で表現し続けてください。今後の進化が非常に楽しみな、ポテンシャルあふれる作品です!」

Miyachi Noriyoshi Award みやちのりよし賞
「乱反射」
川崎 菜緒さん(東京都)
所属: NB ACADEMY A.C.T / 日本美容専門学校 2021年卒
【みやち のりよし審査員からのメッセージ】
テーマ性 ★★★ 技術力 ★★★ 世界観 ★★★
「ポイントで入ってるカラーがめちゃくちゃ可愛いです!それとライティングの色合いが見事にアートになっていて個人的にもとても好きな作品でした!モデルさんのムードと作品のムードもマッチしていてかなりクオリティーが高いです!全作品の中でも目を惹くハイセンスな作品だと思いました!このセンスでこれからも素敵なヘアスタイルをたくさん作ってほしいですね!おめでとうございます!」

【七五三掛 慎二審査員からのメッセージ】
テーマ性 ★★★ 技術力 ★★★ 世界観 ★★★
「個人的に一番好きな作品でした。黄色と黒で作るコントラストと細かいディティールが独特で、絶妙なバランスでモデルさんにフィットしていて素敵だなと思いました。写真としてのクオリティも高く素晴らしいです。」

【miKa審査員からのメッセージ】
テーマ性 ★★★ 技術力 ★★★ 世界観 ★★★
「鋭いセンスの勘、独自の考えの深さを強く感じました。一貫性がある中で、無駄のない尖った表現や攻めの強さ、そして柔らかさまでもバランスよく表現できるのは、確かな基盤と土台があるからこそなので羨ましいです!自分では中々作れない、唯一無二の作品で、完成度の高さと個性の強さに圧倒されました。おめでとうございます!」

【ヘアモード社 梶山 真里亜審査員からのメッセージ】
テーマ性 ★★ 技術力 ★★★ 世界観 ★★
「タイト&フレアな質感で、テーマである“コントラスト”をダイレクトに表現したアイデアが面白い作品。テーマの解釈としてはかなり大胆ですが、何よりシルエットと質感が美しく、プロならではの技が感じられました。また、軽やかなクセの動きを生かす毛先の切り口、モデルの印象的な目元が引き立つレングス設定など、デザインの細部に至るまでよく計算されています。1点、非現実さを彷彿とするシルエットだからこそ、衣装や背景などの要素がシンプルである点が気になりました。引き算も大切ですが、もう一歩、世界観をにおわす工夫も見てみたいです。」

【デンマン社 フランシス・コートニー氏からのメッセージ】
テーマ性 ★★★ 技術力 ★★ 世界観 ★★★
「幽玄を解釈したこのヘアデザインは、優雅さと神秘性が魅惑的に融合している。ドラマチックな赤の照明が強調する長いウェーブ状の質感は、深みと情感の共鳴を呼び起こす。このスタイルを実現するには、ウェーブの形成における洗練された技術と、流れとボリュームを維持するための慎重なレイヤリングが求められる。照明は演劇的な次元を加え、スタイルの幽玄な質感を増幅させる。静かな美しさと儚さを表現した、技術的に完成度が高く、テーマ的にも豊かな作品である。」

【みやち のりよし審査員からのメッセージ】
テーマ性 ★★★ 技術力 ★★★ 世界観 ★★★
「めちゃくちゃ力強い作品ですね!ヘア、メイク、カメラの総合ディレクションが学生さんとは思えないレベルです!正直、感覚的な力は遥かに現役美容師さんレベルを超えていると思います!ワントーンの暗髪モデルさんをアイメイクの色味とライティングの光でかなり魅力を引き立てていて凄いです!今の時点でこんなに上手いから未来が凄く楽しみです!これからもたくさん挑戦して下さい!お見事!!おめでとうございます!」

【ヘアモード社 梶山 真里亜審査員からのメッセージ】
テーマ性 ★★ 技術力 ★ 世界観 ★★★
「モデルの表情、情熱的なヘアカラー、ギラっとした質感など、全ての要素がガチっとはまり、絵づくりに込めた情念が作品から浮き出てくるようです。対して、髪の動きは繊細な束感で表現するなど、テーマである“コントラスト”も随所に意識されており、見れば見るほど面白いと感じる作品でした。根元を暗くしたカラーリングも、作品にリアリティーを与えており、“人”にフォーカスするテーマに合っていますね。長く残したフロントの設定がやや成り行きになっている点など、洗練さがあと一歩と感じる部分もありましたので、今後の研鑽が楽しみです」
上田 美江子氏【Mieko Ueda STUDIO】
テーマ性 ★★★ 技術力 ★★ 世界観 ★★★
「ヘアカラーのイエローとブラックのコントラストが印象的な作品。カール質感でありながら甘さだけでなく、モデルさんの不思議なクールさとメイクで神秘的に表現されていて魅力的な作品!」
小松 敦氏【HEAVENS】
テーマ性 ★★★ 技術力 ★★ 世界観 ★★★
「ヘアカラーとリッジの効いたカールの構成でコントラストを意識されています。モデルのクールな表情と相反した暖色イエローのマッチングは絶妙です。この相反する要素を入れることが作品の強度を生んでいます。スタイリングもしっかりとした形状と配置のリズムが秀逸です。ただしあまり計算しすぎると意外性が表れなくなるので要注意です。」
みやち のりよし氏【SHACHU】
テーマ性 ★★★ 技術力 ★★★ 世界観 ★★★
「カラーデザインの明暗とカールベースの髪の動きのバランスがお見事!!シンプルにヘアスタイルのクオリティーがとても高いと思います!前髪のカール感も独創的でモデルさんにも似合っていて目を惹きました!この前髪がかなりポイントになっていてディレクションがとても上手いなぁと、発想力が豊かでスキルも高いのでこれからもたくさんカッコいいヘアスタイルを作っていってほしいです!!おめでとうございます!」
七五三掛 慎二氏【OCEAN TOKYO】
テーマ性 ★★★ 技術力 ★★★ 世界観 ★★★
「とても洗練された作品だなと思いました。カラーも黒の部分で見えるひし形シルエットが黄色のカールヘアーを引き締めてバランスをとっていて素晴らしいです。とても勉強になりました。」
miKa氏【hodos】
テーマ性 ★★★ 技術力 ★★★ 世界観 ★★★
「モデル選びから雰囲気の作り込みまで一貫性がありエピソードがとても分かり易いです。モデルの魅力に合った色使いがとても印象的でした。カメラの距離感や角度も自然で、表情の引き出し方が余韻に残ります。丁寧に作られた質感が写真に奥行きを作っている印象で、エキゾチックさの中に優しさがあり、一枚の作品として完成度が高いと感じました。グランプリおめでとうございます!」
フランシス・コートニー氏【デンマン社】
テーマ性 ★★★ 技術力 ★★ 世界観 ★★
「ヘアデザインは、タイトルの哲学的深みを反映した対比と質感の卓越した具現化である。根元から輝くブロンドの毛先へと移り変わるボリュームのあるカールは、影と光の意図的な戯れを映し出しており、これはコンセプトの核心である。このスタイルを実現するには、カラーブレンド、精密なカット、カール定義における高度な技術が求められる。スタイリングは混沌と制御のバランスを取り、ヘアスタイリングを芸術の域へと昇華させる彫刻的なフォルムを創出している。技術的に複雑で、テーマ的にも豊かな作品である。」
梶山 真里亜氏【ヘアモード 編集長】
テーマ性 ★★★ 技術力 ★★★ 世界観 ★★★
「エキゾチックな女性像が明確で、モデルに似合っていたところが目を惹く作品でした。装飾的に施したカールは、ともするとほぐしてなじませたくなるのを、あえて太さ・束感を強調し、作品のフックにしていた点が新鮮。文様のようなイエローのカールと、それを引き立て、作品を引き締めるブラックのカールのミックスが世界観にぐっと奥行きを与え、テーマである“ヘアアイロンによる表現”と“コントラスト”という部分をうまく表現していました。フロントのカールとメリハリを付けた、アウトラインの繊細なカールによるシルエットも美しい!」